第8回 ストップウォッチのハードウェア設計

■8.1 ハードウェア仕様
 以下に示すハードウェア仕様でストップウォッチ回路を作成する.

回路名 ストップウォッチ回路
分解能 1/100 秒(10 ms)
精度 0.02%(200 ppm)以内 (時計に例えた場合:月差±9分程度)
計測範囲 00時間00分00秒00(初期表示)〜99時間59分59秒99(次のクロックで初期表示に戻る)
マイコン PIC16F84A(クロック:4 MHz)
電源 電池(1.5 V)より,DC-DCコンバータ(HT7750A)を用いて5 Vを供給
入力 2個のプッシュスイッチ(SW1 および SW2)により,計測開始,計測停止,およびリセット動作を制御する.

SW1 RA3 ポートにローアクティブで接続
SW2 RA4 ポートにローアクティブで接続
出力 LCD(SC1602BS*B,2 行×16 文字)により,計測時間を表示する.

VDD 電源に接続
VSS GND に接続
VO 0.2 V 程度が印加されるように設計
E(STB) RA0 ポートに接続
R/W RA1 ポートに接続
RS(D/1) RA2 ポートに接続
DB7-DB0 RB7-RB0 ポートに接続


■8.2 ライブラリ編集ツール(LCoV)の操作方法
 BSch3V では,パーツはすべてパーツライブラリ登録して使用しなければならない
 従って,ライブラリに登録されていないパーツは新規に作成する必要がある
 そこで,ライブラリ編集ツールとして LCoV が提供されている.
 以下に,LCoV の基本的な操作法を示す.

◆8.2.1 起動とパーツの新規作成
  デスクトップから LCoV を選択して起動する.



 既存のライブラリにパーツを追加する場合は,ファイルメニューより開くを選択し,既存ライブラリ名を指定する(ウィンドウの左側のボックスに既存の部品リストが表示される).

 編集 メニューより 部品の新規作成 を選択し,部品のプロパティ・ダイアログ により作成するパーツの名称や大きさなどを設定する.

 
名前 パーツ名(大文字のみ使用可)
参照番号 パーツのデフォルトの記号.
 任意の記号名を入力する.
X パーツの横方向の大きさ.
 パーツの上下に設定するピン数+1以上とする.
Y パーツの縦方向の大きさ.
 パーツの左右に設定するピン数+1以上とする.
パターンを使用 パーツ内部にパターンを描く場合にチェックする.
 チェックがなければ四角の枠線のみのパーツとなる.
ブロック数 パーツの分割数.
 1つのパーツに同じ機能ブロックを複数設定する場合に利用する.


 OK ボタンを押すと,新規パーツが登録される.



 ファイルメニューより,作成したユーザ定義ライブラリを,M ドライブMYPARTS.LB3 という名称で保存すること


◆8.2.2 ピンの配置と編集
 ツールメニューのピンを選択,もしくはボタンによりピン配置モードに以降する.
 パーツ枠の任意の位置でクリックすると,そこにピンがデフォルトプロパティで配置される



 ピンを配置し終えたら,各ピンのプロパティ(ピン番号,ピン名など)を編集する.
 ツールメニューの選択を選択,もしくはボタンにより選択モードに以降する.
 編集したいピンをダブルクリックすると,ピンのプロパティ・ダイアログが表示される.



 名前,番号を入力し,表示タイプを選ぶ.名前や番号は非表示にもできる.



 名前の文字列に \ を挿入することで,\ の右隣の文字にオーバーラインを付けることができる
 論理回路の負論理信号名などに利用できる.

 

◆8.2.3 パターンの編集
 部品のプロパティで「パターンを使用」をチェックした場合は,パーツ内部に任意の図を描くことができる.



 図の青部分が描いたパターン例(拡大表示).

 パターン描画には専用ツールが利用できる.
直線を描く
円を描く
多角形を描く
円弧を描く
文字を描く
頂点を編集して変形させる
 
■課題
 BSch3Vを利用して,以下の仕様を満たす回路図を作成しなさい.

回路名 ストップウォッチ回路
仕様 8.1に示すハードウェア仕様

 レポートは,下記のWordファイルを使用して作成すること.なるべく簡潔にまとめることが望ましい.
 Form08.docx

 WebClassより期限内に提出すること.